百戦錬磨の最悪の刑事毒島の最後の戦い
この記事で中山七里著「毒島刑事最後の事件」について感想を書きます。
この小説は本屋にふらっと行ったときに思わず買った本です。
そして購入して一気に読破してしまいました。
内容もいくつかの短編からなっていてとても読みやすいので、ミステリー初心者にもオススメです。
そのおすすめポイントも書いていきますので、チェックしてみてください。
「毒島刑事最後の事件」とは
「毒島刑事最後の事件」はミステリー作家中山七里の小説で、2020年7月22日に幻冬舎より発行されました。
中山七里といえば、どんでん返しの帝王とも言われる作家で僕の大好きな作家です。
御子柴礼二や岬洋介などシリーズものも非常に多く、本作も「作家刑事毒島」で描かれた作家毒島の刑事時代の最後の事件のエピソードを描いた小説です。
小説も4つの事件とそれを裏で操る犯罪者とのバトルの全5編からなっており、一つ一つの事件で犯人と毒島との謎解き、バトルが楽しめる作品でした。
あらすじ
刑事・毒島は警視庁随一の検挙率を誇るが、出世にはまったく興味がない。
犯人を追うことに何よりも生きがいを覚え、仲間内では一を話せば十を返す能弁で煙たがられている。
そんな異色の名刑事が、今日も巧みな心理戦で犯人を追い詰める。
大手町の連続殺人、出版社の連続爆破、女性を狙った硫酸攻撃、そしてある事件の犯人を狙った毒殺事件。
これら事件の捜査の中で見え隠れする<教授>とは一体何者なのか?
殺人者を自在に操るかつてない強敵との勝負の行方は。
このような方におすすめ
今作はいくつかの短編で構成されており、一つの事件が約70ページ程度で読みやすいです。
僕は寝る前に1事件ずつ読んで読破しました。
サクッと読めますが、一つ一つの事件の犯人の動機や犯人に至った手掛かりなどもしっかりと書かれているので、その事件一つをとっても読んでいて納得させられました。
僕は「毒島刑事最後の事件」は
- これからミステリー小説を読んでいきたい
- 巧みな心理描写を味わいたい
- 爽快な読後感を味わいたい
な方にオススメの小説です。
「毒島刑事最後の事件」はここが面白い
犯人を追い詰める毒島刑事の毒舌
本作はまず4つの事件を毒島が解決します。
例えば、一つ目の事件は、深夜の大手町の路上で銃による複数の殺人事件が発生します。
使われた銃などから同一犯と思われるが、被害者間につながりはない。
そして、被害者は抵抗などの後もないことから顔見知りによる犯行の可能性も。
毒島はこれらの状況証拠から犯人のある仮説を立てて、犯人を誘導します。
この推理も見事で読んでいてなるほどと思わされます。
さらに毒島の面白さはこの後にあります。
捕まえた容疑者を自白させるのですが、その毒島の毒舌で犯人を追い詰めていく様子が描かれています。
あの手この手の毒舌で容疑者を時には苛立たせながら、自白にもっていくプロセスがとても面白いです。
最後の犯罪者「教授」とのバトル
教授とは一体誰なのか?
4つの事件で犯人を追い詰めていく中で、事件の背景に教授と呼ばれる人物が現れてきます。
全ての事件を裏で操っていた、そう犯人が事件を起こすように誘導していた人物こそが教授でした。
最後の章では、この教授なる人物と毒島とのバトルが描かれています。
数々の人物を巧みに操り殺人者にした教授との取調室でのやり取りは読みごたえがあります。
何を言っても全く動じない教授に対し、毒島はどのようにして追い詰めて自白させるのか?
ここが本作の見所であり、読んだ後の爽快感を味わえるポイントです。
そして、どんでん返しの帝王と言われる中山七里です。
実はこの教授とのバトルにおいても、意外などんでん返しが用意されています。
じっくりと堪能してほしいですね。
まとめ
今日は中山七里著「毒島刑事最後の事件」を紹介しました。
一つ一つの事件がしっかりと描かれているので読みごたえもありますし、なにより毒島のキャラクターが魅力的で作品に一気に引き込まれました。
毒島刑事が登場するシリーズは他にもあるのでまとめて読みたくなる名作でした。