「密室殺人ゲーム王手飛車取り」歌野晶午の傑作!衝撃のラストを楽しもう!!

どんでん返しといえば歌野晶午!

ミステリー小説が好きでよく読むのですが、そんな僕がよく読む作家といえば歌野晶午です。

今日はその歌野晶午の小説の中でも傑作のひとつ「密室殺人ゲーム王手飛車取り」について感想を書きます。

ネタバレなしで作品の魅力のみをうまく伝えれるように書きますね。

 

 

「密室殺人ゲーム王手飛車取り」とは

「密室殺人ゲーム王手飛車取り」は講談社文庫から2010年に発行されたミステリー小説。

密室殺人ゲームはシリーズ化し、その後「密室殺人ゲーム2.0」、「密室殺人ゲーム・マニアックス」と続く三部作として発行されています。

著者はミステリー作家の歌野晶午。

歌野晶午と言えば、数々の賞を受賞した「葉桜の季節に君を想うということ」がまず頭に浮かぶ方が多いと思うが、私はこの密室殺人ゲームも葉桜同様に歌野晶午の魅力が存分につまった作品だと思います。

 

あらすじ

あるチャットルームに集まった奇妙なニックネームで呼び合う5人。

頭狂人、044APD、aXe、ザンギャ君、伴道全教授と名乗る彼らはチャットルームでお互いに考えた推理問題を出題して楽しんでいた。

ただし、普通と違うのはその推理問題は実際に起こった殺人事件、それも本人が犯した事件だった。

彼らは、一つ一つの事件についてそのトリックを品評しあう。

他のメンバーに予想もできないトリックを考えてそれを実行していくメンバー。

そしてリアル殺人ゲームは最終的に思わぬ形に発展していくことになる。

 

 

このような方におすすめ

この小説は、普通のミステリー小説とはちょっと違います。

普通は起こった殺人について、証拠などから犯人、動機を探していき、解決するって流れですが、この小説は全く違います。

なぜなら、犯人は問題の出題者であり、動機も必要ないです。

ただ、殺人事件が起こってそのトリックを解明するだけ。

逆にトリックだけに焦点をあてているのでより深く楽しめるっていうところもポイントが高いですね。

殺人事件が次々と出題されて、それぞれは短くまとまっているので、普段あまりミステリー小説を読まない人でも読みやすいと思います。

 

僕は「密室殺人ゲーム王手飛車取り」は

  • 一風変わったミステリー小説を読みたい
  • 普段あまりミステリー小説を読まない
  • どんでん返し系の小説が好き

な方にオススメの小説です。

 

 

「密室殺人ゲーム王手飛車取り」はここが面白い

殺人犯が推理問題を出すという斬新な設定

この小説の一番の面白さはここだと思います。

犯人が実際に殺人を犯してそのトリックを問題として回答者に出題するところですね。

一見、もう犯人がわかっているし本当に面白いの?って思う方もいるかもしれませんが、読んでみるとそんな疑問はなくなりますよ。

出題者は回答者や僕ら読者が悩むように、それぞれ手の込んだトリックを考えて実行していきます。

そして、回答者が行き詰ると、犯人から事件のヒントを与えてくれます。

このさじ加減が絶妙でトリックがわかったときはかなりスッキリしました。

まるで今話題の謎解き問題を解いたような気分になります。

タイトルの将棋用語が入っていますが、謎が解けたあとにメンバーでその事件の感想戦をするのも面白かったです。

犯人の立場から事件のトリックの出来を評価するなんてシーンは他のミステリー小説では読んだこともなく、その斬新さにやられました。

 

ラストの予測不能な展開

歌野晶午といえば、ラストのどんでん返しを楽しめる作家だと思っています。

葉桜の時もまさかラストであんなことになるとはって感じでやられました。

ラストを読ませるだけで、それまでの世界観から全て変えてしまうのが歌野晶午の魅力の大きな一つだと思います。

この小説も多くの伏線が貼られており、ラストで回収していきます。

「ネットで集まった見知らぬ5人」「奇妙なニックネーム」これらはすべて歌野晶午が読者を騙すための罠であり、僕はうまくミスリードされてしまいました。

事件も単発に起こっているとみせて、最後には思わぬ展開になっていきます。

ネタバレはしたくないので多くは書けませんが、あとは実際に読んでみてほしいと思います。

 

 

まとめ

今日は僕の好きな作家である歌野晶午のミステリー小説「密室殺人ゲーム王手飛車取り」を紹介しました。

一風変わったミステリー小説となっていますが、最後にそれまでのあらゆる事件や人物が明らかになり、予想外の展開になっていく様子はとても面白かったです。

事件ごとは短くまとまっているので、普段ミステリーを読まない方や、謎解きが好きな方などもサクッと読めて楽しめると思います。

読んだことがない方は、ぜひ手に取ってほしい作品です。

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