「魔眼の匣の殺人」国内ミステリーランキング4冠の続編!今作はクローズドサークル×超能力が面白い!!

超能力をミステリー小説にうまく融合した作品

大ヒットした前作「屍人荘の殺人」の続編と言われれば期待してしまいますね。

前作でいきなりとんでもない設定をぶち込んできた著者なので今作も期待して読みましたが、やはり他のミステリー小説とは一味違う作品となっていました。

今日は、そんな今村昌弘の2作目「魔眼の匣の殺人」について感想を書きます。

 

 

「魔眼の匣の殺人」とは

前作「屍人荘の殺人」のその後を描いたシリーズ2作品目で2019年2月に東京創元社より発行されました。

屍人荘の殺人では、クローズドサークルにある設定を掛け合わせることで、今までになかった化学変化を生み出して話題になりましたが、今作もその勢いは衰えていません。

今作ではクローズドサークルに超能力を組み込むことで、また見たことないミステリー小説となっています。

屍人荘の殺人の続編となっていますが、今作から読んでも十分に楽しめる作品となっていますので、安心して読めますね。

前作も気になるよって方は、以前に紹介記事を書いたのでチェックしてみてください

「屍人荘の殺人」今村昌弘のデビュー作!こんな密室殺人見たことない!!

 

あらすじ

娑可安湖集団感染テロ事件に巻き込まれた葉村譲と剣崎比留子。

彼らはテロ事件に関係していると推測される正体不明の組織「班目機関」の調査を続けていた。

そんな中、人里離れた山奥に班目機関が関与しているという研究施設があることを知る。

その研究施設では班目機関による超能力の実験が行われていたという。

葉村と剣崎は、その研究施設があるというW県好見地区へと向かう。

そこには、魔眼の匣と呼ばれる研究施設があり、そしてサキミという予言者の老女が住んでいた。

サキミは一つの予言をしていた。

「十一月最後の二日間に、真雁で男女が二人ずつ、四人死ぬ」

予言を恐れた住民は一斉に姿を消し、魔眼の匣と外部をつなぐ唯一の橋は焼け落ちてします。

魔眼の匣に取り残されたのは葉村、剣崎のほか計9人の男女。

そして最初の犠牲者が出てしまう。

サキミの予言は的中してしまうのか?

葉村と剣崎は、魔眼の匣から無事に脱出することはできるのか?

 

 

このような方におすすめ

前作はクローズドサークルを形成するのにこれまでにない設定が使われました。

そして今作では「予言」が物語のキーポイントになっています。

予言という超常現象をミステリー小説に組み込むことで、前作同様にさらに面白く、オリジナリティのある作品になっています。

僕は「魔眼の匣の殺人」は

  • ミステリー小説が好き
  • 前作「屍人荘の殺人」にハマった
  • 論理的な謎解きが好き
  • ラストの衝撃を味わいたい

な方にオススメの小説です。

 

 

「魔眼の匣の殺人」はここが面白い

クローズドサークル×超能力による化学反応

今作のクローズドサークルは「山奥の建物につながる唯一の通行手段がなくなり閉じ込められる」というよくある設定と言えます。

しかし、それで終わらないのが今村昌弘。

今作はそのクローズドサークルに予言を掛け合わせています。

予言は「男女が二人ずつ、四人死ぬ」。

この予言により、閉じ込められた男女があらゆる思考・行動をしていくことになるのですが、ここが面白かったですね。

「男性が二人死ねば、もう自分(男性)は死ぬことはない」

など、クローズドサークル内の予言ということをうまく利用した作品となっています。

 

また普通の小説であれば、出てくる予言者は実は偽物で、裏で予言が実現するように動いているみたいなパターンが多いと思いますが、今作の予言者「サキミ」は本物です。

ここも他とは違う設定で面白いですね。

しかし、登場人物の中にはサキミを信じるもの、信じないものがいます。

ここがまた物語の展開に大きな影響を与えるポイントでした。

推理をする中で、あの人物はサキミを信じているからこういった行動をするみたいに考えていくのが面白かったです。

 

最後に明かされる予想外の展開

サキミという予言者が登場することは書きましたが、実は本作にはもう1人の超能力者が登場します。

それは予知の能力を持つ少女です。

彼女は数分後、数十分後に起こる出来事を予知することができます。

つまり、このクローズドサークルでは、サキミの予言と少女の予知という要素が複雑に絡まって展開されていきます。

これにより、犯人や事件の謎解きがより難解に、より面白くなっていくのですが、ここは本作を読んだ方なら共感してもらえると思います。

そして、最後に明かされる真実。

  • 過去に行われた班目機関による研究の真の被害者とは?
  • サキミの予言と少女の予知の関係は?

実はある人物の死の背景には予想外の真実が隠されていたなど、ラストの怒涛の展開は読んでいて僕は止まらなかったです。

 

 

まとめ

今日は今村昌弘の第2作品「魔眼の匣の殺人」を紹介しました。

ネタバレなしの感想なので、本作の魅力が伝えきれたか不安ですが、気になった方はぜひ手に取ってもらいたい作品です。

予言や予知という超常現象をうまくミステリー小説に混ぜられることにより、僕は謎解きがより楽しめました。

そして最後に明かされる真実など、次の第三作品への期待もめちゃくちゃ高まりました。

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