ドラ泣きはできるのか?そのポイントは
映画「STAND BY ME ドラえもん 2」を観てきましたのでレビューを書きます。
映画の公開は2020年11月20日になります。
前作「STAND BY ME ドラえもん」に続き、今作も観てきました!
予告編でもわかるように今作はのび太としずかちゃんとの結婚を中心にしたストーリー展開になっています。
ドラ泣きできるのか?できないのか?
そのポイントも含めて書いていきます。
目次
映画「STAND BY ME ドラえもん 2」とは
ドラえもん初の3DCGアニメ―ションとして2014年に公開された「STAND BY ME ドラえもん」のその後を描いた続編です。
監督、脚本は前作同様、八木竜一・山崎貴のコンビです。
今作では、ドラえもんの中でも名作と言われる「おばあちゃんの思い出」「僕の生まれた日」「45年後」の3話とさらに結婚当日を描いたオリジナルのストーリーで構成されています。
結婚当日に逃げ出したのび太を中心に、過去、現在、未来の時代を繋いだ物語。
予告編はこちら
あらすじ
ある日、のび太はおばあちゃんとの思い出の品、くまのぬいぐるみを見つける。
のび太は「おばあちゃんに会いたい」と、タイムマシンで過去に向う。
おばあちゃんに無事会えたのび太。
おばあちゃんは突然やってきた少年をのび太と信じ、受け入れる。
ランドセルを背負ったのび太が見たいというおばあちゃんの言葉を聞き、現在からランドセルを背負っていくのび太。
喜ぶおばあちゃんは
「あんたのお嫁さんをひと目見たくなっちゃったねぇ」
という。
のび太はちょっと待っててねといい、タイムマシンに乗り、未来に向かう。
未来の、のび太としずかの結婚式当日。
しかし、のび太は式場に姿を現わさない。
のび太を探すジャイアンとスネ夫。
そしてのび太を信じて待ち続けるしずか。
大人のび太が結婚式から逃げたことを知った子どものび太。
おばあちゃんの願いを叶えるため、そして待ち続けるしずかちゃんの想いに応えるため、のび太とドラえもんはいなくなった大人のび太を探しにいく。
「STAND BY ME ドラえもん 2」のネタバレなし感想
今作で原作となった3話「おばあちゃんの思い出」「僕の生まれた日」「45年後」はとても素晴らしい話で、これらを1本の物語として成立させるために、オリジナルの結婚式当日の話を組み込むことで、うまくまとめられています。
序盤のあらゆるところに伏線を貼り、それらを後半で次々と回収していきます。
ストーリーを繋ぐために、組み込んだ結婚式当日の話。
それは結婚式当日にのび太が逃げ出してしまい、どこに逃げたかというと、、、という展開なのですが、ここは大人ののび太のクズさが強調されてしまって、観ていて僕はかなりイライラしてしまいました。
これらは後半に続く感動する展開に持っていくために、必要な要素だったとは思いますが、ちょっと人によっては気になるかもしれません。
ドラえもん好きで「まぁのび太ってこういう人だよね」って思える人なら全然許せると思います。
僕はちょっとイライラしてしまった前半でしたが、後半は一気に感動するストーリー展開となり、見どころが増えてきます。
- お嫁さんが見たいといったおばあちゃんにのび太はお嫁さんを見せれるのか?
- のび太が生まれた日に起こった出来事とは?
そして本作の一番感動するポイントは
「のび太の結婚式でのスピーチ」
でしょう。
自分の出生時の両親を見たのび太が、自分の両親やしずかちゃんの両親、そしてお嫁さんであるしずかちゃんに対して語った感謝と決意のスピーチ。
このスピーチは多くの方がグッときた場所なのではないでしょうか。
全世代楽しめる映画だと思いますが、特に既婚者や子供をもつ方には心に刺さると思います。
そして、ドラ泣きできたのか?
できなかったのか?
僕は、できませんでした。
物語はうまくまとめた感はありましたが、僕は感動させようさせようとする作り手側の狙いが見えてしまってちょっとさめたところがありました。
感動の押し売りのような連続がちょっときつかったです。
「ドラ泣き」というワードをこの映画では全面に押し出した広告となっていますが、僕は他にもこの映画の魅力は多くあると思います。
おばあちゃんとの対面や、過去、現在、未来を移動していく中で描かれたのび太の葛藤など、ぜひ見てほしいポイントです。
菅田将暉さんの歌う主題歌もめちゃくちゃよかったです。
歌の表現力が凄くて俳優・菅田将暉だからこそ歌えた曲ですね。
エンドロールで流れたときはジーンときました。
あとは、映画内に多くみられた「いやいやなにしてるん?」「ここはあの道具使えば」と思わず言いたくなるようなツッコミどころです。
このツッコミどころが僕の中では実はこの映画のポイントとも言えます。
ネタバレありでは、いくつか僕が感じたツッコミポイントも話していきます。
「STAND BY ME ドラえもん 2」のネタバレあり感想
それでは、ここからはネタバレありで感想を書いていきます。
みなさんはこの映画楽しめましたでしょうか?
おそらく、この映画を楽しめるかどうかは、大人のび太を許せるかどうかにかかっていると思います。
結婚式から逃げ出した大人のび太は、偶然現在から来た子どものび太のタイムマシンを見つけ、乗り込み過去に逃げます。
逃げ出した理由も「しずかちゃんを幸せにする自信がない」なんていう情けなさですが、何よりも子供のび太が「しずかちゃんが一人結婚式で待っている」と言った時の回答が「それはタイムマシンでその少し前に戻ればいい」なんて言い出す。
いやいやそれは待たせずに帰れよ!
他にも大人ののび太の言動は色々目についたのですが、まさに「クズ中のクズ」でしたね。
ストーリー成立のためとわかってはいるんですが。
大人になっているのに何も成長していない。
ドラえもんってのび太のダメさに子孫がドラえもんを送ってのび太を成長させようとする話だったと思うんだけど、その結果がこののび太なの?
子どもののび太が失敗したりしちゃうのは許せるんですが、本来成長しているはずの大人のび太のふるまいが今作のようでは、これはまだまだドラえもんが大人のび太にも必要だと思いました。
では、のび太へのイライラはこの辺にして、本作のツッコミどころをいくつか紹介します。
そこはどこでもドアだろ
今作のドラえもんはのび太同様にまぬけなところが目立ちました。
メンテナンス中だから道具がないとか、「ここであの道具使えばいいやろ」ってところで使わなかったり。
物語の中で、大人のび太と子どものび太の意識を道具で入れ替えたシーン。
その道具が実は欠陥品で1時間以内に戻さないと、二人の意識は消えてしまう。
子どもになった大人のび太を探すシーン。
ここはただタケコプターで空をウロウロとするだけ。
いやさっさとどこでもドアでのび太の元にいけよ!って思った人は他にもいるはず。
もっと言えば、ドラえもんの道具に人を探す道具「人探し機」っていうのがありますけどね。
ここで精神論なの
入れ替わったのび太の元にようやくたどり着いたが、既にタイムリミットである1時間が過ぎてしまったシーン。
ここで、今回使ったドラえもんの道具「入れ替えロープ」がしゃべりだします。
「もう時間も過ぎたし、戻すのは無理っすよ。」
ここでドラえもんは「とにかくやって」「なんとか戻してよ」みたいな精神論を語って戻そうとします。
いや、ここはタイム風呂敷で解決では?なんて思いませんでした?
大人しずかちゃんも過去にいったの
のび太が不良にボコボコに殴られて、子どもしずかちゃんが泣きながらのび太に言ったセリフ。
「なぜあなたは無理をするの!」
「あなたはそのままでいいのよ!」
んーー、これも突然言い出した感が満載です。
子どもしずかちゃんからなんでこんな言葉がでてくるのか。
ここまでののび太を見てきたかのようなセリフですが、まさかこの子どもしずかちゃんも実は大人しずかちゃんと入れ替えロープで入れ替わっているのか?なんて思わされました。
最後のつじつま合わせがそれか
劇中、なんでこんな出来事を大人のび太が覚えていないのかとずっと不思議に思っていましたが、見事に最後に回収されましたね。
叩くと記憶が消える忘れん棒で、ラストにそれまでの記憶をなくすという展開。
おばあちゃんとの思い出など大事な記憶を全部消してしまうって、どういう事?
このエンディングは愕然としました。
ただ、本作を撮ったのがあのドラゴンクエストユアストーリーと同じコンビなので、まぁ納得といえば納得。
ユアストーリーもラストで全てを破壊する結末でしたからね。
ちょっとあげるだけでもこんな感じでツッコミどころがでてきました。
もしかすると、この違和感や突っ込みどころを探して楽しむのがこの映画の正しい見方かもしれないなと思いました。
まとめ
今日は11月20日公開の映画「STAND BY ME ドラえもん 2」を紹介しました。
「全然成長してないけど、のび太ってこうだよね」と割り切れれば、映画内にところどころあるツッコミどころが意外と楽しめました。
物語自体、後半は感動する展開の連続なので、ぜひ最後ののび太の結婚式のスピーチはかみしめてほしいポイントです。
ドラえもんという子供向けの映画ですが、子どもを持つ親には心に突き刺さると思います。
ぜひお子さんと一緒に観てほしい映画です。