4回泣ける
今日は誰でも読んだら泣いてしまうと言われている小説「コーヒーが冷めないうちに」について感想を書きます。
舞台を見たある編集者が感動して小説化を依頼したという本作品。
知らない方はぜひチェックしてみてください。
「コーヒーが冷めないうちに」とは
サンマーク出版より2015年12月5日に発行された著者川口俊和の初の小説。
川口俊和は元劇団音速かたつむりの脚本家兼演出家。
本作品は2010年3月の舞台作品として作られ、たまたま公演を観に来たサンマーク出版の編集者が感動し、終演直後に「小説にしませんか?」と川口俊和に依頼したことから小説化。
50万部を突破する人気作となり、その後、シリーズ第2作「この嘘がばれないうちに」、シリーズ第3作「思い出が消えないうちに」が出版された。
さらに続編だけでなく、2018年に有村架純主演で映画化もされました。
あらすじ
時田数は従兄の時田流とともに喫茶店「フニクリフニクラ」を経営している。
その喫茶店には不思議な噂があった。
それはある席に座ると過去の時間に戻ることができるという噂。
噂を聞いたお客が喫茶店に訪れる。
- 結婚を考えて交際していた彼と別れた女性
- 若年性アルツハイマー病により記憶が消えていく妻と夫
- 家出した姉とよく食べる妹
- 舞台となる喫茶店で働いている妊婦
過去に後悔をもっている彼女たちは過去に戻って何をするのか
過去に戻った彼女たちの結末はどうなるのか
そして時田数に隠された真実とは何なのか
「コーヒーが冷めないうちに」を読んだ感想
登場人物の人生と後悔に胸打たれる
この小説は、喫茶店のある席に座るとタイムトリップできるという不思議なストーリーなのですが、もう二度と会うことができない家族や別れた恋人、会うことにできなかった母親に会いたいという様々な人の人生と後悔が描かれていて、何度も胸を打たれた小説でした。
タイムトリップしたからといって、そこで相手とどんな話したとしても今の状況は変わるわけではなく、例えば亡くなってしまった人を死なないようにすることができません。
それでも会いたい、気持ちを伝えたいという思いを抱えている登場人物たちの気持ちを読み、私自身も含めてこんな風に考えている人って現実にもたくさんいるんだろうなと思いました。
後悔や伝えきれなかった思いを抱えながら生きている人ってたくさんいると思います。
そんな人たちがこれから前向きに生きていくためにタイムトリップして、今に戻ってきたときに少し前向きになっている姿がとてもよかったです。
前向きになれる元気をもらえる
私自身もこの小説に出てくる登場人物のように「あの時、こうしていたら・・・」「もっとこういう風に言ってあげられていたら・・・」とたくさんの後悔を抱えながら生きてきました。
そういった後悔は時に罪悪感に押しつぶされてしまいそうなほど、苦しいものでもあります。
この小説の中のように、タイムトリップできる喫茶店があればいいのですが、現実ではそうはいきません。
全く後悔をせずに生きていくことはほぼ不可能だと思いますが、あとになって後悔しないように、誰かに思いを伝えるときは相手を苦しませたりすることなく、でも大切なことは丁寧に余すことなく伝えておきたいと思うようになりました。
でも、すでに後悔をたくさん抱えている私でも、この小説を読んでタイムトリップして前向きに生きて行こうとする人たちに触れて、この後悔を抱えながらもちょっと前向きに生きて行けそうな元気ももらいました。
過去は変えれないがそれでも戻る理由に感動
この小説は、人生に後悔をたくさん持っている人には、特に心に響くストーリーなんじゃないかと思います。
たとえフィクションであっても自分と同じ苦しみを持っている人に触れると共感できて、その後ちょっと心が晴れている様子を見て、自分まで一緒に少し幸せになったような気がします。
小説の中ででてきた人たちがタイムトリップする先は、ほとんどが過去です。
結果は変えられなくても、また過去と向き合い、伝え直すことで心が救われることもあるんだと教えてくれるストーリーです。
現実には過去に戻ることはできませんが、過去の後悔と向き合い、気持ちに整理をつけるきっかけを作ってくれる本だと思います。
この本を読んで感動して、涙を流して、浄化しながら自分の後悔とも向き合うことができます。
私はそんな風に心を救ってもらうことができました。
なので、私がそうだったように、後悔を抱えながら生きている人たちにも読んでほしいと思いました。
まとめ
今日は、ある舞台から小説になった作品「コーヒーが冷めないうちに」を紹介しました。
この作品は様々な登場人物の過去の後悔に触れることによって、自分自身のこれまでの人生についても考えさせられる作品です。
そして読み終わったあとは、この本からきっと前向きに生きていく元気をもらえると思いました。