霊を視る男と霊を祓う男が挑む連続バラバラ殺人事件の謎
映画「さんかく窓の外側は夜」を観てきましたのでレビューを書きます。
映画の公開は2021年1月22日になります。
漫画が元となった映画でしたが、予告編を見ると、霊を視ることができる男と、霊を祓うことができる男がバディを組み、未解決のバラバラ事件の呪いに立ち向かっていくワクワクした感じがでていました。
元欅坂の平手友梨奈さん演じる怪しい謎の女子高生との対峙も気になりました。
では実際に観てどうだったのか?
よかった点、そして悪かった点について書いていきますので、これから見ようかどうか気になっている方などの参考になればと思います。
映画「さんかく窓の外側は夜」とは
この映画は、ヤマシタトモコさんの同名の漫画が原作になります。
月刊誌「MAGAZINE BE×BOY」で、2013年から連載中ですが、この中のコミック4巻の「バラバラ殺人事件」が映画の話になっています。
今作は、呪いや霊といったオカルト要素がでてきますが、その呪いや霊に立ち向かう役として、霊が視える三角を志尊淳、霊を祓える冷川を岡田将生が演じています。
2人がバディとなり、互いに触れることで霊が視えて祓うことができるようになります。
そして、この二人に対して、冷川の馴染の刑事、半澤がある事件の捜査協力を求めてきます。
それは、連続殺人事件の被害者の見つからない遺体の一部を探してほしいという依頼だった。
遺体を探していく中で、三角と冷川は霊から謎の言葉を聞く。
「ヒウラエリカに…だまされた…」
ヒウラエリカとは何者なのか?
三角と冷川はその謎に迫っていく。
このようなあらすじになっていますが、予告編を見ても三角と冷川のバディが呪いが生んだ未解決事件に向っていく様がめちゃくちゃ面白そうです。
予告編はこちら
「さんかく窓の外側は夜」のネタバレなし感想
僕は原作の漫画は未読な状態で映画を観ましたが、原作を知らなくてもわかりやすく、まとめられていたと思います。
序盤で三角と冷川が出会い、初めての除霊をしてから、ラストまでのテンポもよく、スピード感もあって、だれることなく観ることができました。
除霊のシーンでは、実際に霊に触れることで、その気持ちが記憶の中に入って読み取っていくようなシーンもあり、それが後々のストーリー展開にもうまく繋がっていきます。
霊の言葉から明らかになったヒウラエリカという女性。
それは呪いを作りだせる呪い屋の女子高生。
僕はこの平手友梨奈さん演じるヒウラエリカと三角、冷川のバディとの対決を想像していましたが、実際は違いました。
エリカの背後にはある謎の組織があり、その組織の指示によりエリカは呪いをかけていました。
そして最後には、三角と冷川は再び除霊の過程である人物の過去に触れていきますが、そこで過去にさかのぼることで、これまでの点がつながっていき、うまくまとめられていました。
冷川は霊を祓うことができるが、謎の多い、ちょっとサイコパスのような人物です。
岡田将生さんが演じることでその雰囲気がとてもうまく現わされており、冷川を見事に表現し、魅力的な人物となっていました。
そして冷川の謎についても、この映画内で明らかになっていくのですが、霊能バトルのようなアクションではなく、霊の言葉を聞き、過去に触れて除霊していくという作り方はとてもよかったと思います。
霊が視えることで、霊に恐怖をいだく三角
霊を祓う力をもつが、過去の記憶がないサイコパスな冷川
そして、呪いを生む力をもつ女子高生エリカ
それぞれトラウマを抱えた三人の葛藤や苦しみも痛いくらい表現され、トラウマに立ち向かっていくシーンもよかったです。
主演の3人以外にも周りを固める俳優も滝藤賢一さん、桜井ユキさんなど素晴らしく、俳優陣の熱演もひかっていました。
物語も原作漫画の一部の話が脚本になっているので、まだ未回収の謎も残されており、漫画の内容が気になったり、さらには僕は続編も期待してしまいました。
ただ、本作はレーティングはPG12となっており、バラバラ殺人とか、呪いで殺しあうシーンなどがでてきますので、観にいく方は少しだけ心の準備をしておきましょう。
「さんかく窓の外側は夜」のネタバレあり感想
それでは、ここからはネタバレありの感想を書いていきます。
みなさんはこの映画どう感じましたでしょうか?
物語の展開としては、
三角と冷川が、刑事半澤の依頼をこなす中で見えてきた謎の人物、非浦英莉可。
英莉可は、怪しい宗教団体に所属する父の命令で、呪いを振りまく女子高生だった。
半澤は英莉可を見つけるが、英莉可によって妻に呪いをかけられてしまう。
三角と冷川は英莉可に呪いを解いてもらうようお願いするが、半澤の妻にかけられた呪いは、穢れをため込んだ装置である建物のエネルギーを使ったため、英莉可自身でも解くことは出来ないと言われる。
三角は一人で穢れをため込んだ建物に向かっていきます。
そこに英莉可も現れ、協力し、建物の内部に入っていく。
建物内にため込まれた穢れにやられそうになったとき、冷川が現れる。
そこで、冷川の過去の記憶に入っていき、過去を乗り越えることで、装置は崩壊し、呪いは解放される。
という展開でした。
映画自体はとてもテンポよく展開され、わかりやすく、僕は楽しむことができました。
ストーリーとしても、最後の冷川の過去に入っていくことで冷川の過去のトラウマとの対峙がよかったと思います。
実は冷川自身も過去宗教団体の教祖として、窓のない部屋で監禁状態で信者の除霊をさせられていた。
そして、ある日呪いをかけられた人に会うことで、その力を自分のものにして、自身も呪いを振りまき、結果として宗教団体で殺し合いが行なわれ、自身の母親を失ってしまう。
過去に入っていった三角が、このトラウマを抱えた冷川と対面し救うシーンは温かい気持ちにさせられもしました。
霊のおぞましい感じや、猟奇殺人の目を覆いたくもなるような残酷なシーンもしっかりと描かれており、そしてなにより演者それぞれが原作の漫画の役柄にとてもあっていたように思います。
きれいに話はまとまっていましたが、ラストの一瞬に映った英莉可の体に現れた呪いなど、次回作への展開も匂わせるところがありました。
実際に、本作ではまだ回収していない、未解決な部分を見られます。
・宗教団体にいた英莉可らに呪いはバラまかせていた石黒はどうなったのか
宗教団体で先生と呼ばれ、英莉可に呪いをばらまかせていた石黒については、逮捕も死も描かれておらず、謎のまま終わっています。
・タイトルにあるさんかく窓とは
三角の腰にあるさんかくのアザや、冷川が作ったさんかくの結界など、劇中には度々さんかくというキーワードが出てきますが、さんかく窓とはいったい何なのか?
・英莉可のその後はどうなるのか
劇中のラストで腕に現れた呪い。
実は英莉可自身には呪いをばらまく呪い屋としての能力だけでは、実はもっと強い能力もあるのですが、今作では描かれていません。
これら未回収の謎の回収は、次回作の映画でみせてくれるのかもしれません。
謎のまま消えた石黒との最終対決、そして石黒の意外な正体など驚くべき展開がまだまだあります。
石黒の正体がわかり、また過去の記憶に入り、そのつながりを見た時に、僕らに新しい興奮と衝撃を与えてくれるのではないでしょうか。
僕は次回作を楽しみにしています。
まとめ
今日は1月22日公開の映画「さんかく窓の外側は夜」を紹介しました。
ストーリーのテンポやスピード感もよく、俳優陣にもはまり役が多かったように思いました。
回収されていない謎の部分も多くあるので、ぜひ次回作で完結編をみたいと思わされた映画でした。