総工費3億円かけて作られた渋谷スクランブル交差点を爆破!
映画「サイレント・トーキョー」を観てきましたのでレビューを書きます。
映画の公開は2020年12月4日になります。
映画序盤から爆破までドキドキが止まらないスリリングな展開。
後半にはネタバレありでレビューも書きますので、映画を観た方もぜひチェックしてみてください。
映画「サイレント・トーキョー」とは
原作は、河出書房新社より2016年に刊行された秦建日子による長編小説「And so this is Xmas」。
2019年12月3日に「サイレント・トーキョー And so this is Xmas」と改題され、文庫化されました。
東京を舞台として連続爆弾テロ事件を巡るクライムサスペンスとなっています。
そして、監督・波多野貴文、主演・佐藤浩市で映画化されました。
予告編はこちら
あらすじ
12月24日、恵比寿に爆弾を仕掛けたとTV局に電話が入る。
半信半疑で中継に向かった来栖公太は、そこにいた主婦・山口アイコとともに犯人の罠にはまり、実行犯へと仕立てられてゆく。
その様子を朝比奈仁が静かに見つめるなか、爆発が起きる。
そして、次の犯行予告が動画サイトに上げられる。
「標的は渋谷・ハチ公前。要求は首相との対談。期限は午後6時。」
独自の捜査を行う刑事・世田志乃夫と泉大輝、不可解な行動をとるIT企業家・須永基樹、イヴの夜を楽しみたい会社員・高梨真奈美、そして一帯を封鎖する警察、事件を一層煽るマスコミ、騒ぎを聞きつけた野次馬たち。
様々な思惑が交差する渋谷に“その時”が訪れる。
それは、日本中を巻き込む運命のXmasの始まりだった。
爆弾テロを起こしたのは誰なのか?
その目的は?
「サイレント・トーキョー」のネタバレなし感想
本作の見どころは、渋谷スクランブル交差点を総工費3億円で再現した実物大セットで行われた爆破シーンでしょう。
そして投入されたエキストラも1日1200人、総勢1万という規模です。
こうして再現された渋谷スクランブル交差点で起こった爆弾テロ。
テロ後の様子はまさに見たことがない渋谷。
飛び散る火の粉や、泣き叫ぶ観衆などかなりリアルで見ごたえ十分です。
ここを見るために映画を見に行ってもいい価値がありました。
まるでマトリックスのようなCGはちょっと斬新でした。
そして本映画のテーマは「反戦」「平和ボケへの警告」と思いましたが、犯行予告がされたスクランブル交差点にまるでイベント感覚で集まる群衆に少し僕は呆れてしまいました。
その後、予告通りに爆破されますが、「ほら、みたことか」と。
その後の阿鼻叫喚の様子は、まさに平和ボケした日本人への警告でしたが、未知のウイルス・新型コロナウイルスに慣れてしまっている今の日本への警告にも感じました。
映画は、その後、爆弾テロを起こした犯人を追う西島秀俊らの刑事目線、広瀬アリスらの被害者目線、そして爆弾テロ実行犯の加害者目線、それぞれを切り替えられながらその感情や価値観などがうまく表現されていました。
映画自体は短くまとめられているので、サクッと終わった感がありましたので、もう少し爆弾テロを起こすに至った動機などが表現されていればよかったとも思いました。
そして、実際の爆弾テロの実行犯。
これは映画の後半で明らかになります。
最初の恵比寿ガーデンプレイスの爆破現場にいた佐藤浩演じる朝比奈仁。
渋谷スクランブル交差点爆弾テロの現場に現れた中村倫也演じる須永基樹。
映画内では実行犯と思われる人物が次々と登場して怪しくみえてきます。
テロ実行犯は誰なのか?
単独犯ではなく複数犯なのか?
何もかもがトラップであなたは見事に騙されるかもしれません。
劇場で犯人を捜してみてはどうでしょうか?
映画のラストにはイヤミスのようなちょっと背筋が凍るような展開も待っています。
そして映画を観終わったあとに、映画の公式サイトを見ると、劇場内のあるメッセージが隠れていることにも気づきます!
気になった方は観てみてください。
「サイレント・トーキョー」のネタバレあり感想
それでは、ここからはネタバレありの感想を書いていきます。
みなさんはこの映画どう感じましたでしょうか?
爆破シーンは圧巻で、その力の入れよう、制作陣のチャレンジが見えました。
演じた役者陣もとてもよかったです。
西島秀俊の刑事役は板についた感じがありましたし、爆破のあと普通に駆け出して犯人らしき人物を追うシーンは、MOZUの倉木刑事?なんて思いました。
広瀬アリスの怯える演技は惹き込まれましたし、テロ実行犯に操られてしまった葛藤を演じた井之脇海、他にも白石聖も素晴らしい演技でした。
主演は佐藤浩市となっていますが、あまり印象に残らずちょっと登場も少ないように思っちゃいましたが。
ゆるめるモ!の元メンバーあのちゃんが、渋谷爆破テロの観衆で出てきたのは驚きでした!
そして、実際の爆弾テロの首謀者ですが、実は、石田ゆり子演じる山口アイコでした。
山口アイコは、最初の恵比寿の爆弾テロで犯人に操られていた只の主婦でしたが、終盤のラストで首謀犯であることが明かされます。
ただ、その動機が弱すぎるように感じました。
総理大臣の「いつでも戦争ができる国に日本をする」という会見を見て、怒りを覚えて戦争の恐ろしさを教えるために、爆弾テロをしかけた?
ちょっと弱いし、浅いし、もう少し時間をかけて犯人の背景や心情が描ければよかったと思いました。
最後のレインボーブリッジから車で転落して爆破したシーン。
ここでまさか山口アイコが生きていたのもちょっと無理を感じました。
転落してすぐに爆破、しかもかなりの規模の爆破でしたが、どう脱出したのか。
夫から教わったのは、爆弾の作り方以外にこんなイリュージョンまで教わっていたのか。
ここは原作も同じなので、まぁ変えれなかったんでしょう。
そして、ラストの「爆弾はまだあります」というメッセージ。
イヤミスのような展開でしたね。
そして、このメッセージは今の日本に対しての強いメッセージにも思いました。
今の新型コロナウイルスの感染拡大の示唆、そして感染拡大という爆弾を阻止するために、日本人の一人一人が強い意識を持って戦ってほしい。
僕はそのようにも感じました。
まとめ
今日は12月4日公開の映画「サイレント・トーキョー」を紹介しました。
1万人を超えるエキストラ、3億円をかけて作られた実物大のセットを使った爆破シーンなど見どころが多い映画でした。
そして、最後まで首謀者が明らかにされず、観ていてハラハラドキドキする展開に惹き込まれました。
首謀者の動機の弱さや浅さが若干に気にはなりましたが、本作のテーマである「平和ボケへの警告」が強く訴えられており、サスペンスではあるが日本人の危機意識の甘さを痛感されられました。
ラストのエンドロールで流れる「Happy X-mas (War Is Over)」。
ジョンレノンは歌ってはいないが、彼の意思が込められたあの名曲に心が震えました。