シークレットゲストの〇〇〇〇の演技が怖すぎた
映画「ドクターデスの遺産」を観てきましたのでレビューを書きます。
映画の公開は2020年11月13日になります。
130人もの患者を安楽死させた実在の医師をモデルに描かれた本作は、安楽死を手口とする連続殺人犯とそれを追う刑事のコンビとの攻防が見どころです。
後半にはネタバレありでレビューも書きますので、映画を観た方もぜひチェックしてみてください。
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映画「ドクターデスの遺産」とは
ドクターデスの遺産は作家・中山七里の同名小説が原作となっています。
小説は2017年に角川書店より発行されています。
「人には生きる権利と死ぬ権利がある」
安楽死をテーマとした作品で、末期がんなど生きることが苦しい患者に対して、安楽死を行なうドクターデスと、それを追う綾野剛と北川景子演じる刑事コンビの戦いが描かれています。
安楽死の是非や命の尊厳について深く考えさせられる作品となっています。
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あらすじ
「お父さんが殺された」
ある日、ひとりの少年から通報が入る。
捜査一課の刑事、高千穂明日香は、犬養隼人とともに少年の自宅を訪ねると、ちょうど父親の葬儀が行われていた。
少年に事情を聞こうとするが、少年の母親は「お父さんは病気で死んだの」といい、少年はその場から逃げ出してしまう。
犬養は少年を追いかけ事情を聞くと「見たことない医者がやってきて、そのあとお父さんが動かなくなった」と言われる。
母親に話を聞く中で浮かび上がってきたドクターデスという安楽死を請負う医師。
犬養と高千穂が捜査を行なうと、次々と過去の安楽死と思われる事件が浮かび上がってくる。
ドクターデスは何者なのか?
犬養、高千穂はドクターデスを止めることができるのか?
「ドクターデスの遺産」のネタバレなし感想
本作の見どころは
- 安楽死という重いテーマをどのようにサスペンスで描くのか
- シークレットゲストは誰か
です。
前半のドクターデスという安楽死を請負う医師の存在がみえてからの展開は、観ている観客の我々にも安楽死・命の尊厳について問いかけてくるようでした。
実際にドクターデスによって家族を安楽死させてもらった遺族が出てきますが、その家族の気持ちもうまく描かれていました。
- 末期がんや難病で苦しむ患者
- 自由に動くこともできず、ただ生かされている現実から死を願う患者
- 苦しむ患者を見ていくことはあまりに辛く逃れたいと願う家族
そんな家族に対して、ドクターデスは「生きる権利と同時に死ぬ権利がある」と呼びかけてきます。
家族にとってドクターデスは救世主なのか?それとも殺人鬼なのか?
本人・遺族が望んだ安楽死であれば、この誰も被害者のいない殺人は果たして追うべき事件なのか?
観ていて、もし自分が患者なら、家族が患者なら、と考えさせられました。
そして、シークレットゲスト。
映画のポスターでの役者の名前が塗りつぶされるなど、犯人を演じる役者は隠されていました。
事前にテレビなどに出演した綾野剛さんらも「シークレットゲストは誰でしょう。シークレットゲストは1人ではないかも。」なんておっしゃっていたので、かなり注目してみました。
実際のシークレットゲストですが、演技が素晴らしかったと思います。
最初見た時は、その方と分からないくらいに見事に化けていました。
役者って本当にすごい、本当にあの方の演技は凄かったと思います。
ゾクゾクする怖さをめちゃ感じました。
ドクターデスは誰が演じているのか?
犬養と高千穂はどのようにしてドクターデスを見つけだし、追いつめていくのか?
サスペンス映画のようなドキドキ感を味わいながらも、終末期医療の在り方について深く考えさせられる映画です。
興味のある方は劇場で観てください。
「ドクターデスの遺産」のネタバレあり感想
それでは、ここからはネタバレありで感想を書いていきます。
みなさんはこの映画どうでしたでしょうか?
ネタバレありなので、素直に感想は話すと、かなり微妙な展開でしたね。
前半のドクターデスという存在が現われて、観ているこちらにも安楽死の是非、殺人犯が正しいのではないかと錯覚もさせられるような展開はよかったです。
遺族はみんな、ドクターデスを救世主のように崇め、安楽死した被害者は幸せでしたと言う。
高千穂が、被害者のいない殺人と葛藤していく様、翻弄されていく様は楽しめました。
しかし、後半になると、一気に物語の方向性が変わってきます。
ドクターデスの「報酬も貰わず、苦しむ人を安楽死で救う」という目的はどこにいったのか。
犬養に自分の行為を蔑まれ、その仕返しとばかりに、ただの殺人鬼に。
これでは、ただのサイコパス・快楽殺人者ではないかと思いました。
本当にめちゃくちゃ残念で拍子抜けしてしまいました。
シークレットゲストは、柄本明さん、木村佳乃さんでしたが、お二人とも演技はすごかったですね。
ちょっと臨んだ展開の形ではないですが、木村佳乃さんのサイコパス感は怖すぎました。
狂気に染まった感じはまさに震える怖さでした。
他にも、犬養の娘役の子はめちゃくちゃうまかったですね。
- ドクターデスの正体など映画の展開が読みやすい
- なぜ高千穂があっさり家族の思い出の場所に行けるんだ?みたいなご都合主義な展開が目についた
- 前半はよかったのに、後半の中身の薄い展開になったのはなぜ?
色々感想はみなさんあると思いますが、目につくだけでも結構微妙なところがでてきました。
全てに言えるのは、「なぜあのような脚本にしたんだろう」ってことでしょうか。
なぜか原作を改変しまくってます。
原作では、映画のようなおバカな娘ではなく、娘を囮にして、ドクターデスと交渉して捕まえようとしたり、ドクターデスとの戦いがしっかりと描かれています。
そして、ドクターデスはただの快楽殺人者でした、、、ではなく、「苦しむ人を安楽死で救う」というドクターデスの信念、そしてラストでは安楽死の是非を深く考えされられる山場が描かれています。
映画ではこのあたりは描かれていませんでしたので、読んでない方はぜひ原作を読んでほしいと思います。
2時間という時間の制約がある中では、原作のすべてを描くことは難しかったのかもしれないですね。
まとめ
今日は11月13日公開の映画「ドクターデスの遺産」を紹介しました。
本作は、安楽死による殺人を行なうドクターデスと、それを追う刑事との戦いを描くサスペンス映画でした。
前半の安楽死の是非を問いかけてくる展開はよかったですが、後半にかけての急展開にはすこしついていけないと感じてしまいました。
シークレットゲストや犬養の娘役の子どもの演技は惹きこまれるほどよかったです。
俳優陣がよかっただけに、もう少し原作を再現できていればいい映画になっていたと思いました。